カオサンにいたバックパッカーはどこへ行ったのか? 【海外ひとり旅で感じたコト】
10年振りの一人旅。
初日から思わぬ出会いがあった。
詳しくはこちら。
昨日はバンコクに住むお姉さんたちの生活を聞き、色んな生き方があるもんだな、なんて思ったいた。ベタだけど。
海外に住む。海外で働く。なんてことは全然特別なことなんかじゃ、ない。
特に仕事も辞めて結婚もしていない僕なんか、今から何しても良い立場なんだ。
もう使い古されてる言葉だけど、人生一度っきりだしね。好きなことを好きなようにしながら生きてくって、怖いけど、憧れる。
2日目。
人生どころか、今日やることすら考えてない。
本当に無計画にふらっと海外に出てきてしまったし、バンコクの有名どころの観光地は以前来た時にもう行ってしまっていた。
タオ島にいこうかな。
10年前の一人旅の時に、タオ島に行ったことがある。そこでスキューバのライセンスを取ってダイビングをした。
その時の海の綺麗さと、空を飛んでる様な無重力体験に感動して、またいつか訪れたいと思っていた。
せっかくタイに来たからにはダイビングをしよう、とはなんとなく考えていたし、思い立ったが吉日。だ
日本人宿のパソコンを借りて、タオ島のダイビングショップを調べてみる。
10年前にお世話になったショップはまだあった。昔から日本人のインストラクターが多く在籍していてたいていの日本人はここにお世話になってた。
せっかくだから、またここにお世話になろう。
そう思ってホームページを読み進めると、衝撃的な一文が。
「11月からオフシーズンの為、当ショップの営業は10月までです。」
今日は10月22日。
もう後、一週間しかないじゃん・・・。まじかー。
他に方法はないかと、タオ島にある他の日本人ショップを当たってみるも状況はほぼ同じ。日本人インストラクターは11月からみんないなくなってしまうみたい。
知らなかったよタオ島にオフシーズンがあるなんて。ってかタイってずーと夏なんじゃないの?現に今日だって一歩外を歩けばすぐ汗だくになる気温だよ?
・・・ブツブツいいながら(本当は言ってないけど)、ホームページをもう少し詳しく見てみる。
どうやら、いくつかあるうちの日本人ショップのうち、ひとつはカオサンロードに支店があるらしい。
ここでブツブツ言っていてもしょうがない(言ってないけど)、とりあえず話を聞きに行ってみるか。と場所を調べてカオサンへ向かうことに。
カオサンロードにいくのは10年ぶり。でもちょっと複雑な気分だった。
かつてはバックパッカーの聖地と言われていた。
10年前のタイ旅行はほぼすべて、カオサンで過ごしていた。宿もカオサン裏のゲストハウスだったし、飯もカオサンにある安い屋台、夜はカオサンのクラブかバーで飲んでいた。
だから今回もタイに行ったらすぐにカオサンへ行こうと思っていた。
そのため日本にいる間に、パソコンで「カオサン・安宿」って調べといた。そしたら意外な検索結果が出たのだ。
「カオサンがバックパッカーの聖地だったのは昔の事」「今はスクンビットの宿に多くの旅行者が泊まっている」「現在のカオサンは閑散としている」
そんなバカな。
そりゃ、僕が泊まっていたのは10年以上前だし、時代が変われば色々変わる事もあるでしょうよ。でもあのカオサンがそんな風になっているなんて・・・。
そう思いながらも、結局、自分も初日はスクンビットにある日本人宿に予約をいれていた。
なんか、怖かったんだよね。自分の思い出の場所が、そんな風に変わってしまっているのを見るのが。
10年前、20歳そこそこで初海外、初一人旅にでた。
もちろん今みたいにスマホもネットの情報もない時代。初日は不安しか無かった。けどそんな不安は杞憂だった。すぐに同じく一人旅をしている日本人や外国人と仲良くなったし、一緒に色んなところへ遊びに行って、色んな話をした。
多分他の人も同じだったとおもう。
とりあえずカオサンに行けば、同じ様なバックパッカーがいて情報を交換したり、仲良くなったり、安くご飯も食べられたし宿もいっぱいあった。
だからこそ世界で唯一「バックパッカーの聖地」って呼ばれていたんだろうし、それが
もう無くなっているんだとしたら、やっぱりちょっと悲しいな。
そんな事を思いながら、事前に調べといたバスを乗り継ぎカオサンへ向かう。
渋滞にはまり、けっこうな時間を経てカオサンに到着。
あれ?全然変わってないじゃん。
欧米人バックパッカーはたくさん歩いているし、屋台もたくさん。
相変わらずトゥクトゥクの呼び込みはしつこいし、ダサいおみやげ物屋も連なってる。
なんだ、なんなんだ。あのネット情報は。
ぜんぜん違うじゃないか。
確かに10年前と比べたら、地元の屋台がオシャレなカフェに変わってたり、世界的に有名なチェーン店が増えていたり、いくらかの変化は、ある。
だけど決して「閑散としている」様には見えないし、みんな楽しそうだ。
多少混乱しながらも、思った。
10年前と違い、今はいくらでもネットで情報が手に入る。日本にいたら特にそうだ。
だけど旅行本やガイドブックと違い、ネットへ情報を書き込んでいるのは個人。だからその人が感じた「印象」とか「イメージ」が出てしまう。
それなのに、それがあたかもそれがガイドブックの情報かのように「正しい」もののように感じる。そこに落とし穴があるんじゃないか。
僕はたまたまカオサンに用があって来れたから良かったものの、あのネットの書き込みを見て「カオサンはもう終わっているのか」「じゃあ、他のところにしよう」ってなった旅行者はたくさんいるだろうし、その人はカオサンを知らずに旅を終えるのかもしれない。
こうして誰かの個人の印象が、多くの旅人の行き先を変えちゃってる事ってけっこうあるのかも。
やっぱり実際自分の目でみたら違った。ってことはたくさんあるだろうし重要なのはそっちなのだ。
今の時代、ガイドブックだけで旅行をするのは現実的ではないし、ネットの情報があるからスムーズに旅ができてる。だけど、ネットの情報には誰かの印象や個人のイメージがついてまわるってことに気をつけないと、おもしろいコトには辿りつけなかったりするのかも。
旅2日目にしてそれに気付けたのはすごく恵まれてるんじゃないか。そんなことを思った。
そして、ダイビングショップに到着。
カオサンの件もあるし、ネットには10月いっぱいで終了なんて書いてあったけど、実は営業しているんじゃないか。なんて期待しながら、受付のお姉さんに聞いてみる。
「いえ、ネットの情報のとおり、10月で終了です。」
ちぇっ。
・・・ネットの情報はけっこう正しい。